【第29回】顧客台帳活用講座|店舗視察報告:トレーダージョーズ

いつも大変お世話になります。
ミリオネットの田中潮です。
 
先日は、サスティナブル戦略No.1であるニューシーズンズマーケットを紹介しました。

今回は、トレーダージョーズというお店を紹介します。


 
2007年に私が訪問した時点では290店舗展開していましたが、現在は約550店舗を展開しています。
ターゲット顧客は、地元のロハス(LOHAS)消費者
ロハス消費者とは、ざっくり言うと、環境や健康、社会に対する問題意識が高い人々のこと。
 
やはり、このトレーダージョーズも、そのターゲット顧客を意識した、独自コンセプトを持ったお店づくりがなされています。
立地も、「ロハス消費者」など自然志向が強い人々が住むエリアを選んで出店。
ウォルマートは(出店しないので)競合しないということですね。
 
最大の特徴は、400店舗近いチェーン店にもかかわらず、あえてチェーン展開をしていない点にあります。
 
どういうことか?
 
最大手のウォルマートなどは約5000店舗の巨大チェーンです。
つまりスケールメリットでは対抗できません
 
そこで、あえて地元の人々の感性に合ったお店づくりを行う(脱・均質化)事をモットーにしているんです。
1店舗たりとも同じ店を作るなというのが本部の意向だそうです。
 
トレーダージョーズでは、店舗毎にアーティストを雇い、看板や店内のPOP、プライスカードに至るまで手描きするという、とんでもない非効率的なお店づくりをしています。
約550店舗のチェーン店で、このような戦略を採用するのは本当に凄い事だと思いませんか?
 
そして、このお店のもうひとつの特徴は、店内の約90%を占めるというプライベートブランド(PB)商品
「美味しい物を安く」提供することを徹底するため、アイテム数を絞る代わりに、その殆どをPB商品にしています。
以前紹介した「フレッドマイヤー」などのワンストップショッピングセンターとは逆で、市場や顧客を絞り込む集中化戦略で展開しているスーパーです。

  • 美味しい物が安く手に入る(PB)。
  • 全て手書きによるメッセージ性が高いPOP。
  • 店長はキャプテン、店員はクルー(乗組員)と呼ばれ、全員がアロハシャツを着て働く。スタッフを呼ぶのもマイクやスピーカーを使わず、ベルを使う。

このように効率化とは逆のお店づくりを、約550店舗のチェーン店で行う理由、それは・・・。
 
  
地元の買い物客がワクワクするようなお店にしたいから!
 
 
トレーダージョーズは、「素晴らしい体験(経験価値)」を提供することで近隣の住民をファン化することに成功しているお店なんです。
つまり「素晴らしいショッピング体験」という最高レベルのバリューを提供しているお店ということです。
 
商品という「モノ」ではなく、ワクワクや感動という「コト」を売るお店。
皆様のお店では、どんな「コト」を売っていますか?
 
次回は、独立店(個店)でありながら、その個性的なお店づくりで注目されているチャックスプロデュース&ストリートマーケットというお店を紹介します。
 
 
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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