いつも大変お世話になります。
ミリオネットの田中潮です。
- 優良店舗事例 : PCC
- 年間700回(!)も開催する料理教室
- お客様との関係性を育てる
先日は、ローカリズムを徹底することで独自性を打ち出し成功しているニューシーズンズマーケットというお店を紹介しました。
廃棄処分となる食材や生ゴミを肥料にする装置を導入しその肥料を地元の農家に無償で配布、その地元農家から食材を仕入れる・・・という地産地消モデル、トレーサビリティは勿論、サスティナビリティ(環境の持続可能性)に至るまで情報開示を徹底し、地元の食への意識が高い方をターゲット顧客とすることで大手チェーン店との差別化を実現しているお店でした。
今回は、「お客様を育てる」・・・正に客育(?)とも言うべき取り組みを行っているPCCナチュラルマーケットというお店を紹介します。
優良店舗事例 : PCCナチュラルマーケット

この店舗は、私が訪問した当時8店舗展開していた(今は12店舗に増えているみたいです)アメリカ版の生協といったお店です。
したがって商品はオーガニック食材が中心です。
フードバンクという支援活動に参加しており、余った食材をフードバンクを通じて、生活が困窮している方に無償で提供しています。
他は、ペットフードや肥料などに再利用することもあるそうです。
年間700回(!)も開催する料理教室

ここで驚くべきは、年間700回も実施されている有料の料理教室です。
1日に2回のペースですね。
スーパーに限らず、お店では様々なイベントを企画開催していますが、皆さまの店舗では年間700回もイベントを実施できますか?
おそらく集客が難しいと思います。
さて、この700回の料理教室開催を可能としているお店の秘密とはなんでしょうか?
お客様との関係性を育てる
この料理教室は、ユニークな商品を開発した際に来場されたお客様にテストマーケティングしたり、食への意識が高い方に対して更に啓蒙したりする、お客様の「食」への意識を育てる場でもあります。

また、このお店は子供とのコミュニケーションも重視しています。
12歳以下の子供は野菜や果物を試食することができ、小さなうちから自然食に触れることで食育の機会にもなっています。
そして、たくさんの子供が「美味しい!」と言った商品には「Kid Picks」というプレートを売り場に貼ります。
この「Kid Picks」には2つの目的があります。
ひとつは、購買者である親へのアプローチです。
「子供に人気」という安心感からか、「Kid Picks」に選ばれた商品は、8~12%の売上アップになるそうです。
もうひとつ、こちらの方が重要だと言っていましたが、子供へのアプローチです。
小さなうちからオーガニックの食材に触れる機会を増やす事で食育を行っています。
そして子供もいつかは大きくなり購買力を身に着けます。
そうなったときに(子どもとのコミュニケーションを充実させておくことで)自然にPCCを利用してもらうという育成型の仕組みを構築しています。
いかがでしょうか?
このような「客育」の発想で地元のお客様をファン化することに成功しているからこそ、年間700回も料理教室を開催できるのですね。
地域密着型店舗は、「客育」の発想を持ちましょう!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。