【第22回】顧客台帳活用講座|お店の価値を表現しましょう!

いつも大変お世話になります。
ミリオネットの田中潮です。

本日のテーマ
  • 優良店舗事例 : トレーダージョーズ
  • ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)
  • お客様満足と従業員満足

先日は、大手チェーン店の進出にも負けていないアメリカの優良小売店であるズーパンズマーケットというお店を紹介させていただきました。

高所得者層をターゲットとしたお店づくりを徹底することで、独自性を出す事に成功していました。

今回は、トレーダージョーズというお店を紹介します。
皆様のお店づくりの参考になれば幸いです。

優良店舗事例 : トレーダージョーズ

この店舗は、約550店舗を展開する食品スーパーです。
プライベート(PB)商品が多く、安くて美味しいお店として評判なお店。

550店舗というと比較的大きなチェーン店ですので、徹底した本部管理と効率化が行われていそうですよね。

同じ商品構成・ビジュアル(販促物)、そして接客のマニュアル化を行った方がスケールメリットが活かせると考えるのが普通だと思います。

ところが・・・このお店ではちょっと違うのです。
トレーダージョーズでは、敢えて各店舗を「同じ顔」にしないことを原則としています。

具体的には、アーティストを雇って地域の方達の感性に合ったデザインのPOPや看板などを手作りで作成しています。
店内のPOPだけでなく、店外の看板など、あらゆる告知物が手作りです。
また、店員はアロハシャツを着て働いています

ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)

VMDとは、品揃えや店舗デザイン、販売促進、商品陳列などを、お店のコンセプトと総合的に連動させることによって「選びやすく・買いやすい」を視覚的に演出していく手法のことを言います。

前回のズーパンズもそうでしたが、トレーダージョーズも、「普通」のスーパーマーケットを超えたお店づくりをVMDの手法で首尾一貫させる事により、他のお店には無い店舗の独自性を伝えることに成功しています。

それは、上記のPOPや看板だけでなく、エコバッグやPB商品のパッケージデザインも同様で、非常にデザインレベルが高いものになっています。
ここのエコバッグは女性がお土産に買って帰る定番商品となっている位です。

まさに、楽しくワクワクする演出がお店全体に満ち溢れているのです。

お客様満足と従業員満足

皆様は「CSはESから」という言葉をご存知でしょうか?

CSとはお客様満足ですね。

ではESとは?
ESは「Employee Satisfaction」つまり従業員満足のことです。

つまり、自分の仕事に満足も誇りも持っていない従業員が、お客様に満足を提供できるわけがない、お客様満足には、まずは従業員満足から実現する必要があるという考え方です。

その点でも、このトレーダージョーズは徹底しています。

アーティストを中心としたお店づくりについて社内で表彰制度を設けたり、お客様の入り具合を見てスタッフが商品を開け試食を勧めるなど、自主性を重んじ、自分たちで考えてお客様をもてなす社風を創り上げています。

この試食については、最も重視する戦略のひとつで基本的には店内の殆どの商品が試食可能との事です。

試食をすることで、通常の3~4倍の売上になるそうですが、目的はそこではなく「おもてなしの心」を通じて地域の方との関係性向上を大切にしているのです。

実際、私もここのカップに入ったチョコレートを試食して、お土産で大量に買って帰りました。

私が見てきた地域密着型優良小売店は、どこの店舗もスタッフさんが「ここで働ける事が私の誇りです!」と笑顔満面で言っていたのが、とても印象的でした。

いかがでしたか?

「良い物」が溢れている現在、物品の価値だけで独自性を創り出しお客様に満足していただくのは非常に難しい世の中です。
これからのお店づくりには、精神的な満足度・感動の提供が必要です。

それをトレーダージョーズでは、お店のデザインスタッフの服装、おもてなしの心による積極的な試食・・・とあらゆる場面で精神的満足を提供する仕組みが整っていました。

皆様のお店ではどうでしょうか?

本日のまとめ

お店が約束する価値を、あらゆる場面で表現しましょう。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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