【第17回】顧客台帳活用講座|告知も「お客様目線」で!

いつも大変お世話になります。
ミリオネットの田中潮です。

本日のテーマ
  • 知らないモノは買えない
  • 「告知品質」と「知覚品質」

先日は、ブランドづくりとマーケティングの関係性について考えてみました。
今回は「告知」のお話です。

ブランディングとは、「誰に」「どんな価値を」提供するのか、その「約束する価値」を明確にすること。
マーケティングとは、「誰に」「何を」「どのように」を明確にする戦略的組織活動であること。

上記の定義さえ決まれば、あとはその「約束する価値」を告知するだけなのですが・・・。

皆さまは「告知」に対して、どれほどの関心があるでしょうか?

知らないモノは買えない

個人的に飲食店経営者から、よく聞くのが「良い物を提供すれば、お客様はきっと分かってくれるはず」告知なんぞ必要なし・・・という言葉です。

職人気質だなぁと関心するのですが、味覚でも聴覚でもブラインドテストを行うと、意外にその違いを感じ取るのは難しく曖昧なものです。

先日とある焼き鳥店でご主人が「ウチは、店で串打ちしているんだ」とか「ウチのウズラベーコンは、生のウズラの卵を仕入れて作っているんだ」・・・だから告知などしなくても「分かってくれるハズ」と言っていたのを思い出しました。

しかし、絶対音感や絶対味覚を持っている人なんてそうはいませんので、結局のところはお店にとっての「約束する価値」を告知しないとお客様には伝わらないという結果になるのです。

「言葉などなくても伝わるものを作るのが職人の本懐」というのも分かりますが、マーケティングの側面から考えると
「知らないモノは買えない」ということになります。

知らないモノは買えない・・・当たり前過ぎるといえばその通りなのですが、非常に重要なことです。
上記の例が正にそれですね。

「当店のウズラは、生のものを仕入れてお店で茹でているので、食感や甘みの違いをお楽しみくださいませ」などという情報提供があれば、誰にでもその違いが分かるはずです。

法人営業でもそうですがお客様が「無関心」であった場合は、話題転換を行ってニーズを探りますよね。
それと同様、人は関心がないものに対しては感度がゼロになってしまいます。

だから、関心を持って頂く準備段階として「告知」が必要なのです。
しかし告知する上で注意すべきなのは、その情報がお客様にとって「価値あるもの」でなければ「関心」には発展しないということです。

「知覚品質」と「告知品質」

ここで伝えるべき品質について注意しておくことがあります。

それは、「知覚品質」と「告知品質」についてです。

  • 知覚品質とは、他の製品やサービスに対して、その製品の価値や優位性を、お客様自身が明確にと理解できている品質感を言います。
  • 対して告知品質とは、お店や企業側が伝えている品質感のことです。

紛れもなく購入に繋がるのは「知覚品質」です。

例えば美容製品について「時間をかけてゆっくりと丁寧にコラーゲンを抽出しました」というコピーがあったとします。

この場合「時間をかけて」という部分が、お客様のメリットに繋がる情報提供があり、それをお客様が理解されていれば知覚品質ですが、そこが不明瞭であれば「時間をかけて」というのは企業側にとっての「告知品質」でしかありません。

逆に別の製品が「含有量10000mg」というコピーであった場合(時間をかけていなくても)そちらの方が知覚品質になる可能性が高いわけです。

この場合、製品の「善し悪し」ではなく伝え方の違いで評価が変わってくるということです。

製品が伝えたい品質感により、伝えるべきメディアや告知方法も変わってきます
チラシだけでなく、冊子やセミナー、さらには「人」=スタッフもメディアの一部です。

「ウチの製品はモノが良いから・・・」で安心していませんか?

さて、これまでは市場に向けたブランディングブランドが約束する価値の告知ついて考えてきました。
これを「アウターブランディング」と呼ぶなら、企業内におけるブランディングというのも存在します。
「インナーブランディング」と言います。
次回は、これについて考えてみたいと思います。

本日のまとめ

「告知」も「お客様目線」で行いましょう!

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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