【第7回】顧客台帳活用講座|「顧客満足」の落とし穴!

いつも大変お世話になります。
ミリオネットの田中潮です。

本日のテーマ
  • CSとCRMの違いとは?
  • 「顧客満足」の落とし穴
  • 「見えないクレーム」

CSとCRMの違いとは?

今回の話題は「CRM」についてです。
ところで、CSCRMの違いとはなんでしょうか?

「CS」と「CRM」の違い
  • CS(Customer Satisfaction)は顧客満足のことですね。
  • CRM(Customer Relationship Management)とは、直訳すれば、顧客関係性の管理ということになります。

CSとの違いにおいて、重要なのは「M」つまりマネージメントの発想です。
しかし、CRMは、日本では受け入れ難い要素があるようです。

実際にCRMのアドバイス業務を行っている際に私が経験した話です。
九州で有名な和菓子製造販売会社の経営者はこう言いました「お客様を区別すると店頭で対応に困る」と。

つまりは、それぞれの顧客グループ(セグメント)に対応した区別化プログラムを、あからさまに店頭で展開するとクレームが発生してしまうと言うのです。

ちなみに、このそれぞれの顧客グループに対応した顧客区別化プログラムをFSPと言い、CRMの考え方に沿った戦略の具体策です。
FSPついては、改めて詳しく紹介させていただきます。

いかにも日本的な発想だと妙に感心しました。
和を重んじる日本人にとってCS(顧客満足)という考え方は、お客様に対し均一的で区別する事がなく、とても受け入れ易い概念だが、顧客をマネージメントするCRMの概念は簡単には受け入れられないようです。

ここで注意すべきは2点です。

注意点
  • 告知不足
  • 「見えないクレーム」

お客様に応じたサービスを行うとクレームが・・・という場合、その殆どが(そのサービスについて)告知不足である事が多いです。
飛行機の優先搭乗について(皆がその制度をしっているので)誰も苦情を申し出ないのが良い例です。

「顧客満足」の落とし穴

では「見えないクレーム」とは何でしょうか?
上記の告知で「見えるクレーム」は、大方解消できます。

ここで、考えてみてください。

「全てのお客様に均一的な満足」というのは、確かに見えるクレームは発生しません。
しかし本当にこれが平等 = 顧客満足でしょうか?

CS(顧客満足)という考え方は、営業の基本ですから一切否定はいたしません。素晴らしい考え方です。
問題は、本当の顧客満足とは何だろうかという事です。

たくさんお店に貢献したと自覚しているお客様にとっていつまでたっても一見さんと同じ扱いというのは、仮に接客が丁寧であっても顧客不満足となります。

「見えないクレーム」

その場合、どうなるか?

「私は常連だから、もっとサービスをしたまえ!」とクレームを出すでしょうか?
いえ、ほとんどのお客様は、黙って・突然お店を去ります
いわゆる離反客となるわけです。

これが見えないクレームです。
これを「見える化」する為には来店データを見るのが最も効率的です。
さて、この見えないクレームが店舗経営にとって一体どんなリスクを抱えているのか・・・?

詳しくは次号で紹介いたします。

本日のまとめ

CRMは、「色々な」お客様に「色々な」顧客満足を提供する考え方です。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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