【第23回】顧客台帳活用講座|ローカリズム

いつも大変お世話になります。
ミリオネットの田中潮です。

本日のテーマ
  • 優良店舗事例 : ニューシーズンズマーケット
  • 徹底したローカリズム
  • 徹底したコミュニケーション

先日は、中規模のチェーン店でありながら、地域密着志向のお店づくりで成功しているトレーダージョーズというスーパーを紹介しました。

トレーダージョーズは、アーティストを雇うことでお店のビジュアルプレゼンテーションの質を徹底的に高めているお店でした。

今回は、地域密着・・・いわゆるローカリズムを更に徹底することで独自性を打ち出し成功しているニューシーズンズマーケットというお店を紹介します。

優良店舗事例 : ニューシーズンズマーケット

この店舗は、ポートランドで19店舗程展開するスーパーで、私が視察したのは高級住宅地に位置する店舗でした。

店舗内で料理教室を開催するなど、近隣の方とのふれあいを大切にしているお店です。

ここの研修で最初に驚かされたのは、鮮魚のコーナーで店長から講義を受けている時のことです。
パートの女性が割って入って「魚の話なら、店長より私の方が詳しいから・・・」と言って店長に許可を求めて大勢の前で講義を始めたことでした。

なんてモチベーションが高いんだろう・・・!

更にその女性は皆の前で「私は、このお店で働ける事、そして地域に貢献できることに誇りを持っています!」と満面の笑みで言ってくれたのです。

皆さんのお店では、この様なモチベーションで働いてくれるスタッフはいますでしょうか?

この高いモチベーションを生み出している秘密とは?
少しずつ紐解いていきたいと思います。

徹底したローカリズム

ニューシーズンズでは、地域密着・地産地消、いわゆるローカリズムを徹底しています。

店舗の近くに農場を持ったり、積極的に地元の農家の商品も扱っています

更に、青果などで余った食材を専用の装置で堆肥化して、無料で近所の農家に提供するなど環境保全も徹底しています。
いわゆる「サスティナビリティー」ですね。
これは経済活動だけでなく社会や環境全体を含めて「持続可能」にしていく取り組みとして近年注目を浴びている言葉ですが、ニューシーズンズマーケットでは、それが徹底されているのです。

他にも鮮魚のコーナーでは、生態系までを視野に入れて
・緑色:摂取に問題なし
・黄色:摂取過剰は危険
・赤色:絶滅の危険性あり
といった具合に値札を色分けして表示しています。
ちなみに赤色に該当する食材は売らないと宣言しています。

ここまでローカリズムを徹底しているからこそ、そこで働くスタッフも誇りを持つことができるのです。

徹底したコミュニケーション

このようなスタッフですから、コミュニケーションの質も非常に高いです。

例えば、このお店では3人の栄養士がおり、お客様に合わせた的確な食材リストを作ってくれます

また、レジ担当者がオートミール(8ドル)が高くて買えないお客様に、レジ担当者権限で量と価格を半分にして販売するなど、自ら考え行動出来るように一定の権限移譲が成されています。

更に、店舗の真ん中に「ソリューションコーナー」があり、試食提案などを積極的に行っています。
私が訪問した時は2名のスタッフが常駐して、たくさんの試食提案を行っていました。

「お客様の声」の収集も行っていますが、注目すべきは全て手書きで回答して貼り出しているということです。
そこには、よくありがちな「コピーペースト」された回答ではなく、1文1文丁寧に読んで回答しています。

いかがでしょうか?

ここまで徹底的にやると、大手チェーン店の進出にも決して負けることはありません。

日本の地方店舗の生き残り戦略として参考になれば幸いです。

本日のまとめ

徹底した地域密着型店舗を目指しましょう!

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