いつも大変お世話になります。
ミリオネットの田中潮です。
- 「価値」と「満足」の方程式
- 経験価値マーケティング
- ロイヤルティマーケティング
先日は、優良客におけるコミュニケーションの重要性と注意点について、特にこのランクで発生しやすい自尊心のギャップについて紹介させていただきました。
今回はガラッと変わって、経験価値のお話です。
「価値」と「満足」の方程式
「価値」を分解すると下記のようになります。
■価値 = 品質 ÷ 価格
価格に見合った品質を、お客様が実感できれば「価値」となるわけです。
しかしながら「価格に見合った品質」だけでは、成熟産業においては「当たり前」にしかなりません。
「+α」が必要なのです。その「+α」こそ・・・
「顧客満足」なのです!
その「満足度」を更に分解してみます。
■満足度 = 知覚価値 ÷ 価格
「知覚価値」とは、お客様が製品やサービスに対して抱く総合的な判断価値のことで、物理的なものだけでなく心理的な要素も含まれます。
つまり価格や品質といった「モノ」の魅力以外に、満足度といった「コト」の魅力提供が必要になります。
この「コト」こそが「経験価値」であるわけです。
経験価値マーケティング

前回も紹介しましたが、近年はお客様の経験価値を重視したマーケティングが盛んになってきています。
UX:User Experience
CX:Customer Experience
いずれも、商品やサービスそのものではなく、それらの利用を通じて得られた感動体験を重視する概念で、経験価値マーケティングなどとも呼ばれます。
例えばカメラであれば、
物販 : カメラの販売
UX : 思い出づくりのお手伝い
という発想になります。
UXを重視すれば「売りたいカメラを売る」という発想から、「お客様の利用ステージ=思い出づくり」に最適なカメラ及びノウハウを提供するという発想に変化します。
お客様が、そのスタッフから受け取ったカメラを通じて素晴らしい思い出ができた場合、その店舗やスタッフ、カメラに対する経験価値は大きくなる訳です。
これは、ネット通販では提供できない、リアル店舗での最も大きなアドバンテージとなります。
CXM(Customer Experience Management)つまり顧客経験価値管理という発想が今後の店舗運営には必要となってくるでしょう。
しかし、「価値」も「満足」も、更にはその変数要素である「期待値」ですら限界効用逓減の法則により、次第にその値は減少していきます。
「限界効用逓減の法則」とは、繰り返し接触すればするほど、その効力が減少していくというものです。
では、永年に渡り売れ続けている商品は、この逓減の法則を打ち破る何かを持っているのでしょうか?
ロイヤルティマーケティング
それこそが「ロイヤリティ」です。
ロイヤリティとは、忠誠心・親愛度と訳されます。
ロイヤルティマーケティングとは、他店を利用せず、自店に対して忠誠度の高いお客様を創出していくためのマーケティング活動のことです。
具体的には、
- 多頻度利用顧客に対する大幅値引き
- クーポンの配布
- 各種特典の付与
などが施策となります。
前回「自尊心のギャップ」について触れましたが、良い意味でのギャップを作り出せれば、お客様は「ファン」から「信者」つまり「ロイヤルカスタマー」となってくれます。
成熟産業を勝ち抜いていく為には「モノ」だけではなく「コト」=経験価値の提供が必要ですが、最終的にはお客様に対するロイヤルティマーケティングつまりは「客育」が必要ということですね。

次回は、伝えるべき「価値」の象徴である「ブランド」について地域密着型店舗にスポットを当てて考えます。
感動体験で「コト」を売り、「信者」を育てましょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。