【第14回】顧客台帳活用講座|優良離反客とは?

いつも大変お世話になります。
ミリオネットの田中潮です。

本日のテーマ
  • パレートの法則
  • 自尊心のギャップ
  • 「モノ」から「コト」へ・・・

先日は、リピート新規顧客に対するコミュニケーションを中心に紹介させていただきました。

今回は、優良客・優良固定客について考えてみます。

パレートの法則

毎回、マーケティングの法則が出てきて恐縮ですが、「パレートの法則」という物をご存じですか?

これは、全体に影響を及ぼしているのは、全体を構成する内の一部の要素であるという法則です。

これをマーケティングに当てはめた場合に有名なのが20:80の法則になります。
小売業の場合30:70の法則になる事が多いです。

実際にお客様の来店情報を基に、売上金額の高い人から低い人まで順に並べて、それを10個のグループに分けて分析してみてください。
(ちなみにこの手法を「デシル売上分析」といいます。)

さて、結果は殆どの場合、上位30%のグループの売上構成比が約70%になっているかと思います。
つまりは、ごく一部のお客様が、売上全体の70%に影響を及ぼしていると言う事になります。
パレートの法則

以前、CSとCRMの違いについて説明いたしました。

全売上の70%に貢献してくれているお客様ですから新規客とは違うコミュニケーションが必要になります。
「相棒」で知られる水谷豊さんは、なじみのスタッフには片手でグータッチ、初めての人には握手と使いわけているそうです。

この感覚ですね。
新規客に「グータッチ」は失礼ですから、きちんと握手でご挨拶。
常連さんに「握手」は堅苦しいので、グータッチでコミュニケーション。
「あぁ、僕は認められているんだなぁ」と自尊心が満たされます。

この上位30%・・・ここでは優良客と表記しますが、優良客への顧客満足は、皆さまどうされていますか?

1年に1度でも良いので、お世話になったお礼という気持ちで還元する事が大切だと思います。
たとえば・・・
飲食店:試食会への無料招待、キープグラス・キープ箸
美容店:フルコース無料体験
優良客は、口コミで広げてくれるなど伝道師になってくれる可能性が高いので、優良客限定での「感動体験」を演出する事が必要です。
名前と顔を覚えるというのも基本的手法ですね。

自尊心のギャップ

さて、ここで自尊心のギャップのお話です。
お客様は、私たちスタッフが考えている以上に、自身のことを「お得意様」だと思っています
逆に、スタッフ側からすると「大勢のお客様の中の1人」になってしまいがちです。

これを「自尊心のギャップ」と表現しています。

以前に大手家電店で大型テレビと冷蔵庫、電子レンジに炊飯ジャー、ガスコンロ、LED証明・・・などなど家電一式をまとめて購入したのですが、後日お店で担当者に「どうも!」と声をかけたところ全く覚えていませんでした。
事情を説明したところ「あぁそうでしたか!」と。

これでは私は、この店のファンにはなれません。
来店前の「期待価値」を大きく下回っている「不満足」にしかなりませんね。

ここでのギャップは、
私)かなりのまとめ買いだったので、覚えていてくれているに違いない。
スタッフ)たくさんの購入客の中の1人に過ぎない。
というものです。

例えばこれが私の顔を見て、スタッフさんから「あぁ!田中さん!この間はどうも・・・!」というアプローチがあれば、一気にファンになっていたことでしょう

皆さんは、顔と名前が一致しているお客様の数は、どれ位でしょうか?

先ほどのデシル分析で例えると、上位10%のランクは皆さま大体覚えていらっしゃるケースが多いです。
が、20%・30%となっていくにつれ、お客様の数が多くなって記憶が曖昧になっていく傾向があります。

この上位20%から30%のランクにおいて発生し易いのが「自尊心のギャップ」です。
しかしながら、このランクの売上構成比は非常に高く失う訳にはいかない顧客になります。
「優良離反客」の多くは、このランク客のギャップから発生しますので注意が必要です。

昔の商売は人の顔と名前が一致する範囲で行われてきましたが、商圏が広がった事でそれが難しくなった為、データ化の手法が広がりCRMという概念が出現した訳です。

「モノ」から「コト」へ・・・

最近では、UXCXなどという言葉が出てきています。
UX:User Experience
CX:Customer Experience
いずれも、商品やサービスそのものではなく、それらの利用を通じて得られた感動体験を重視する概念で、経験価値マーケティングなどとも呼ばれます。

次回は、この経験価値マーケティングをテーマにしようと思います。

本日のまとめ

お客様の自尊心を満たし、良い意味での「ギャップ」=感動体験を創造しましょう!

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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