【第10回】顧客台帳活用講座|RFM分析の罠!?

いつも大変お世話になります。
ミリオネットの田中潮です。

本日のテーマ
  • RFM分析
  • なぜ最新来店日が重要なのか?
  • RFM分析の罠!?

先日は、顧客関係性における育成ステップと、そのステップに応じたコミュニケーションとして「FSP」という手法を紹介させていただきました。

RFM分析

今回は、その顧客ランクを設定するにあたり代表的な手法であるRFM分析を紹介させていただきます。
RFMとは下記の3つの要素から成り立っています。

RFMの3つの要素
  • Recency(リセンシー)     :最終来店日
  • Frequency(フリークエンシー) :来店頻度
  • Monetary(マネタリー)     :利用金額

    RFMとは単なる言葉ではなく、この言葉の並び方に意味があります。
    つまり対策を立てる場合・・・

    の優先順位になるということです。

    業態や立地などでも変わってきますが、例えば
    R:稼働客にアプローチする。離反客を減少させる。
    F:来店頻度を増加させる。
    M:顧客単価を上げる。
    という順番に対策を講じると効果的ということです。

    もう少し詳しく分解すると、
    ・Rの数値がいいほど将来も貢献してくれる可能性が高い
    ・Rの数値が悪ければ、その他の数値が良くても他社に奪われている可能性が高い
    ・Rの数値が同じなら、その他の数値が良いほど優良顧客
    というようにデータを見ていきます。

    直近に来店している顧客ほど、稼働率・再購入率が高いということになり、最終来店日が同様であれば、来店回数→利用金額の順番で顧客ランクを設定していくという手法です。

    なぜ最新来店日が重要なのか?

    それは、RFM分析の中で稼働・休眠・離反の状況を判断する事が出来るデータがRだからです。
    来店回数や金額だけでは、現在において稼働しているお客様か否かを判断できません。
    いくら利用金額が多くても、1年以上も来店されていない顧客にアプローチしても、とっくに他店に奪われている
    可能性が高いからです。
    逆に、利用金額が低くても最近来店した顧客であればこれからのアプローチでランクアップしてくれる可能性が高いです。

    可能であればRFMによるランク分けに、性別や職業などの顧客属性情報を加味して管理する事で、優良客やリピート客、離反客などについての、より正確な仮説が立てられると思います。

    ポイントサービスを行う際に、性別や生年月日、職業などを聞く事で、来店データ(RFMの基データ)と紐付けた分析が可能になります。

    RFM分析の罠!?

    RFM分析で気を付ける事とは何でしょうか?

    RFM分析やデシル分析などは、あくまで分析の手法であって解釈ではありませんので、分析結果を店舗運営にどう反映させるかは、分析された担当者次第です。

    最近「RFM分析は間違いだ」などと言う人がいますが、あれは分析と解釈を混同しています。

    RFM分析を行い、手っ取り早く売上を上げる方法ってなんでしょうか?
    それは、ランクの高い上位客へアプローチする事です。
    もともとファン層ですから、プッシュ型のセールスに強い反応を示して頂けます。
    実際、ショップでご近所の常連客に必死に電話しているケースは多々あります。

    ここで「罠」のお話です。

    確かにこの方法で瞬間的には売上を上げる事が可能です。
    が、ハードなセリングを続けていると必ず顧客離れが生じてきます。
    実際、とある有名な健康食品最大手企業が、この罠にはまり大量の離反客が発生したという実例があります。

    これは、RFM分析やデシル分析という手法が間違っているのではなく、そこから導き出した解釈が間違っていたという事になります。

    顧客関係性のステップを思い返してみてください。

    STEP
    知って貰う
    (新規客)  ⇒(告知)
    STEP
    得して貰う
    (リピーター)⇒(ポイント・クーポンなど)
    STEP
    好きになって貰う
    (VIP客)  ⇒(FSPなど・自尊心をくすぐる)

    顧客セグメント毎のコミュニケーション術を構築する事がCRMである事を前回お話ししました。
    そのひとつの形がFSPであり、顧客ランクに応じた段階的なコミュニケーション戦略です。

    いわゆる「客育」です。

    上位客へのアプローチだけを続けていくと先細りになります。
    そこで必要になるのが、育成型のマーケティングです。

    育成型のマーケティングについては、次回にご紹介いたします。

    本日のまとめ

    離反客は早急に対処しましょう!

    最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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